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わらじ村長「鎌田三之助展示室」品井沼の形を整え水田へ!【大崎市鹿島台】

宮城県といえば伊達政宗が有名ですが、各地には町のために尽力した偉大な人物がたくさん存在します。その中の一人が、旧鹿島台村長を務めていた「 鎌田三之助 (かまたさんのすけ)」です。

彼は鹿島台にある大きな沼 「品井沼」を整え、緑豊かな水田を作り上げました。彼の功績や人徳を偲んだ「わらじ祭り」が現在でも続いています。

この記事では、大崎市に大きな影響を与えた鎌田三之助について、人物像や活動について掘り下げていきます。彼がいてくれたから、お米がたくさん採れる豊かな町になったと思うと、知らずにはいられませんね…!

鎌田記念ホール内にある「鎌田三之助展示室」

※この記事は管轄施設の許可を得て執筆・撮影しています

わらじ村長と呼ばれた鎌田三之助

わらじ村長こと鎌田三之助は、品井沼を中心とした沼の「干拓(かんたく)」に力を注いだ人物です。干拓とは、湖や沼の排水をして、陸地や耕地にしていくこと。

自給自足が主流だった昔の人にとって、「畑」や「田んぼ」は貴重な土地でした。

彼は試行錯誤をしながらも、品井沼の形を整えて緑豊かな水田を広げました。この水田は地元鹿島台の人々の生活を支えます。

鎌田三之助や村人が品井沼を干拓したおかげで、現在も豊かな田んぼや陸がある

また、明治42年(1909年)から38年もの間は鹿島台村長として活動しました。在任中は、一切の報酬を断り、粗末な衣服で過ごしていたそうです。

村人の見本となるように、裕福な生活はせず、「わらじ履き」で駆け回りました

村の人から「 わらじ村長 」とニックネームで呼ばれるなど、彼の人気の高さ・人徳が感じられます。

鎌田三之助と日本一貧乏な村は「水」と闘った

昔の品井沼は雨が降り続くと水があふれて洪水になることがありました。洪水になると周りの田んぼは水浸しになり、お米が収穫できなくなってしまうのです。

そのため村は「 3年に一度しか米がとれない日本一貧乏な村 」と言われたほど悲惨な状況でした。

そんな村の状況を改善しようと、品井沼の排水工事を進めていたのが三之助の父と祖父でした。三之助はその遺志を受け継ぎ、沼の干拓工事に力を注いだのです。

鎌田三之助の熱い願いが村人の心を動かした

村人の中には品井沼の大きな工事に反対する者もいましたが、三之助は一人ひとり熱心に自分の気持ちを伝えて説得したそうです。

村は今、貧乏のどん底にある」
「明日といわず、今日からすぐに村を立て直さなければならない」

https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/216323.pdf

三之助の説得がやがて村人を一致団結させて、長年かかった品井沼の干拓工事を完成へと結びつけることができました。

鎌田三之助展示室

鎌田記念ホール内にある「鎌田三之助展示室」の入り口

「鎌田記念ホール」という複合施設(アリーナや多目的ホールがある)の中に『鎌田三之助展示室』があります。展示内容が豊富でじっくりと観覧することができます。

展示室で分かること

  • 鎌田三之助の生涯・人柄
  • 鎌田三之助の取り組み
  • 鹿島台・品井沼干拓の歴史
  • 水害から村を守るための対策

見どころ① 明治の教室を再現したシアタールーム

教室を再現したシアタールームで楽しく学べる

まず筆者が驚いたのがシアタールームです。三之助が活動していた当時の教室を再現した場所で約20分の映像を見ることができます

「実写ドラマ」「アニメーション」で分かりやすく、三之助の活動についてまとめられていました。

映像だけではなく、窓を模した壁はシーンに合わせてライティングが変化し、子どもでも飽きないような工夫がなされています。

見どころ② 品井沼干拓の流れがわかる展示物

干拓の流れや構造が時系列でわかる

品井沼の干拓にあたり、どんな装置がつくられ・どのように使われたのかなどが時系列で理解できるスペースです。現在も町に残っている「潜穴(せんけつ・排水路のトンネル部分)」や「水門」についての説明もありました。

模型や図なども豊富 です。

見どころ③ 当時の現物がそのまま展示

鎌田三之助が当時使っていた「わらじ」や「洋服」などが現物で展示されている

説明パネルだけではなく、三之助に関わるアイテムが数多く展示されているのも見どころです。実際に着ていた衣服や使用した教科書……どれも現代ではなかなか見ることができない貴重な資料です。

とくに筆者がすごい!と感じたのは、三之助の手帳。薄い字ながらも 三之助本人が書いた当時の記録が残っています

展示室には県内の児童たちが校外学習で勉強に来ますので、ゆっくり見学したい方は予約状況を確認してから訪れることをおすすめします!

鹿島台の「わらじ祭り」は鎌田氏を偲ぶお祭り

鹿島台では毎年8月に『 鹿島台わらじ祭り 』が行われています。

わらじ祭りは、鎌田三之助村長の遺徳を偲ぶためのお祭りで、大小のわらじを「みこし」とし、まちをねり歩きます。踊りや鹿島台太鼓がパレードを盛り上げてくれます。また、夜には花火も打ち上げられますよ!

わらじ祭りの名前に“わらじ”とあるのは、鎌田三之助の愛称「わらじ村長」が由来となっており、彼の生きざまは現在にもしっかりと受け継がれていることが分かりますね。

鎌田三之助展示室まとめ

今回は鹿島台にゆかりある鎌田三之助について取材しました。彼と当時の村人が力を注いでくれたからこそ、現在の鹿島台があることが分かります。

長い年月をかけてつくられた現在の形を大切に後世に残していきたいですね。鎌田三之助展示室に行くだけで、知らなかったまちの歴史にふれることができました。

鹿島台以外にお住まいの方もぜひ一度、展示室に足を運んでみてください。きっと鹿島台のまちを見る目が変わるはずですよ。

記念ホール基本情報

施設名 鎌田三之助展示室(鎌田記念ホール内)
住所 〒989-4102 大崎市鹿島台木間塚字福芦335番地1

電話番号 0229-56-6311
開館時間 9:00~17:00(展示室のみ)
休館日 月曜日(国民の祝日の場合はその翌日)・年末年始(12月29日~翌年1月3日)
入館料 一般200円(団体150円)
高校生以下100円(団体50円)
※20人以上は団体扱い

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